三日坊主のやりたがり

あれもしたい、これもしたい。自分から半径3m以内のあたりに興味が集中しています。

「なんで男の人がきらきらをつけてるの?」

先日、とあるファストフード店に入り、パートナーと二人で昼食をとっていました。

隣の席には、プリキュアの映画を見た帰りだろうなと思しき、姉妹(とその友人?)と保護者。

 

私たちの席に近い側に見るからに最年少の、おそらく5~6歳の女の子。

背伸びしたいのか、お姉ちゃんたちの真似をしていてかわいらしいなあと、視界の隅に入るそのしぐさをほほえましく感じていました。

その時、聞こえた声。

 

「ねぇ、なんであの人は男の人なのに、きらきらつけてるの?」

 

明らかに私を指さしながら、そして彼女の自分の耳のあたりを示しながらでした。

私が右耳にピアスを付けているのが不思議だった様子。

私たちはちょうど食事を終えたところであったので、その会話の続きを待つことなく(他人様の会話に聞き耳を立てるのもあれですし)店外へ出ました。

外へ出てふっと振り向くと、窓からこちらを見ていた女の子と視線がばちっと合い、そんなに気になるもんなんだなあと思ったのでした。

 

 

この女の子の疑問からいくつかの問題提起ができます。

 

まず、強固なジェンダー規範が5~6歳にして植えつけられているということ。

私が付けているのはごついボディピアスなので(と言っても、へそピとして一般的なもの)、ピアスそのものを見慣れていない幼い子には不思議なものだったかもしれませんが、彼女は「男の人がなぜ」という文脈で質問をしていました。

きらきらしたアクセサリーを身に着けるのは、女の人がするものだという認識がなければ出てこないはずの疑問です。

 

そしてもう一つ、私を「男の人」だと断定したこと。

何をもって彼女が私を男だと判断したかはわかりませんが、その後立ち寄ったスーパーのレジでのやり取りで、私はレジ打ちをしていたスタッフから「女性のお客さん」という判断を受けています。(レディースデーのカードを作る提案を受けた)

その日一日だけを見ても、私の他者から見た性別は揺らぎの中にありました。

もっと言うと、私の性自認は男とも女とも断定できるものではなく、制度上登録されている性別(俗に言う戸籍の性別)を尋ねられない限り「どちらでもない」としか言いようのない人間です。

 

私を見て「なんで男の人がきらきらをつけているの?」と疑問に思った女の子は同席していた彼女の保護者に質問しましたが、その質問を受けた彼女の保護者が私を「男の人」と認識している保障もありません。

もしかしたら保護者は私を「女の人」だと認識していて、「男の人じゃないよ」という「訂正」から回答を始めるかもしれない。

その場合保護者は何を持って彼女に、私が「女の人である」と説明するのでしょうか。

もちろん、女の子にも、彼女の保護者にも私の制度上の性別を知るすべはありません。

同じく、私の生殖器がどうのということを確認する術もありません。

 

何を持って、男とするのか、女とするのか。

認識にずれがあった時、そのずれは何に起因するものなのか。

想像が膨らむ、たった一言の大きな疑問でした。

 

 

その後の会話を聞かずに席を立った私としては、既存の性別規範に対する疑問のきっかけになってればいいなと、思うのですが。