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三日坊主のやりたがり

あれもしたい、これもしたい。自分から半径3m以内のあたりに興味が集中しています。

「あなたは異端で、誰からも理解を得られない存在だ」と国から言われた

www.asahi.com

 

朝から、久々に泣いた。

絶望を思い出して泣いた。

重ねて突きつけられた絶望に泣いた。

 

 小学校体育の指導要領で「異性への関心が芽生える」とした記述をめぐって、この記述をなくし、新たにLGBTなど性的少数者について盛り込むよう求める意見があったが、文科省は「LGBTを指導内容として扱うのは、保護者や国民の理解などを考慮すると難しい」としている。

 

 現在学習指導要領解説書には「思春期になるとだれでも遅かれ早かれ異性に惹かれる」とある。

異性に惹かれる人がいる、ということは何も間違いではない。

 

誰でも(=例外なくすべての人が)、遅かれ早かれ(=必ず)異性に惹かれる

 

というのが間違いなのだ。

ただの間違った知識であっても十分に問題になるが、この件についてはそれ以上の問題を抱えている。

 

昨今ブームのように「LGBT」という言葉が聞かれるようになった。

大手企業や地方自治体を中心に、「LGBT」と言われる人々に対しての施策が打ち立てられている。

直近で話題になった関連ニュースだと、以下のものだろうか。

www.nikkansports.com

 

「LGBTなど性的少数者」という記述に問題がある*1ということはひとまず今回は置いておくにしても、少なくとも

  • 同性に惹かれる人もいる
  • 異性も同性も、どちらにも(或いはそれ以外にも)惹かれる人もいる
  • 恋愛はすべからく誰もが経験すること・するべきことではない

くらいは、だいぶ社会的認知が進んできているはずであるし、実際にそのような人々が有史の時代から一定の割合存在し続けてきた。

LGBTブーム」が広まっている現在、統計的な調査結果もある程度のものは素人でも目に付く場所で開示されている。

事実、その辺にいる。なんならこの文章を読んでくれているあなたに伝えよう。

これを書いている私は、「異性も同性も、どちらにも(或いはそれ以外にも)惹かれる人」だ。*2

 

 

実際に存在する人々を無視した記述であり、間違った知識に基づいた記述が訂正されずに残る。

間違った知識は教育を受ける側にとっても不利益であり、存在を無視された人々の心情は辛いものがある。

文科省は「LGBTを指導内容として扱うのは、保護者や国民の理解などを考慮すると難しい」としている。

…って、言ってしまえば「あなたは異端で、誰からも理解を得られない・得られていない存在だ」と文科省・国から言われたようなものだ。

 

小中高と、教科書を読んで、授業を受けて存在を否定された。自分がおかしいのだと思わされた。

この年になってやっと、学校の外にも世界はあってそこで自分の居場所を探しても良いことを理解できたが、当時は学校が世界のほぼすべてだった。

そんな場所で否定された絶望だけでも手一杯だし、いまだにこの呪縛から完全にのがれられていない。

なのに、さらにその否定してきた言葉に「やっぱり正しいよ、理解されないよ」と改めてお墨付きを与えられる絶望。

 

異性以外も好きになれ、恋愛をするな、と教えて欲しいのではない。

異性を好きになることを尊重した教育をし、それと同じように同性を好きになることも、どちらも好きになることも、恋愛をしないことも尊重した教育をしてほしいだけだ。

教育を受けた側が心情的に肯定的にとらえられないのなら、異性を好きになる人、同性を好きになる人、どちらも好きになる人、恋愛をしない人がいるということを知識として学ぶ機会を奪わないでほしいだけだ。

*1:異性を好きになるならないは「性指向」の話であるからLGBT全てを包括する話ではないなど、突っ込みどころが多くある表記・文脈である。ついでに言えば、せめて性自認の問題についてももう一言くらいは丁寧に触れて欲しい部分であった。

*2:異性・同性の細かい定義はひとまず置いておく。「一般的な」イメージで読んでもらって大方問題ない。